テニスで足首が痛くなった経験はありませんか?
私はあります。
テニスを始めたての頃はフットワークも悪く、よく足首をひねって負傷していました。
足首の痛みはテニスの時だけでなく、日常生活にも支障が出てきますよね…。
今回はなんと
理学療法士の人に足首の痛みの原因と正しい対処法について記事を書いてもらいました!
今回の記事では、テニスにおける足首の痛みの種類や対策、治療法などについて触れていきます。
また、予防法や悪化させない方法も併せてご紹介していきます。
すでに足首が痛む人、これから足首を痛めたくない人の参考になればうれしいです。
本記事でわかること!
- 足首の怪我の種類
- 足首の怪我の症状
- 足首の痛みの原因
- 足首の怪我の治療法
- 足首の怪我の予防法
- 足首を痛めないための対策
はじめに
テニスは、相手の様々な球種に対応する必要があり、フットワークが非常に重要になります。
フットワークと切っても切り離せないのが、足首の機能です。
テニスで生じる足首の怪我は、足首の捻挫、アキレス腱断裂、テニスレッグが挙げられます。
それではそれぞれ解説していきます。
足関節捻挫
足関節捻挫とは、足首を支える靭帯の損傷のことを指します。
「ただ捻っただけ」と軽視する方もいますが、実際に体内をみてみると靭帯の損傷が起きています。
程度の差は大きいですが、内出血をしていたり、足をつくと痛みが出たりする人は何かしらの損傷があると思われます。
症状
足関節捻挫では、靭帯の損傷をしているため、損傷した部位付近の痛みや内出血が起こります。
靭帯の損傷には差があり、部分的な損傷から完全に切れてしまう場合もあります。
また、階段から滑り落ちたり、足を捻って更に踏まれるなど、強い力がかかったりすることで、足関節外側の靭帯が付着している外果(外くるぶし)が骨折してしまう場合もあります。
原因
スマッシュやボレーなどの着地時や、テニスボールを踏んで捻挫をしてしまうこともあります。
多くの場合は、足首を内側に捻る内反捻挫の形で受傷します。
治療法
基本的には手術を必要としない保存療法が中心になります。
必要に応じて、サポーターやギプスにて固定を行います。
完全な断裂や、外くるぶしの骨折をしているような場合は、手術を行います。
足関節捻挫は、軽くみられがちで、軽傷の場合はしっかりと治療をせずに競技に復帰してしまう人も多いですが、
その場合、長期的な予後として変形性足関節症を発症してしまった例もあります。
怪我をしてすぐの対処法
ACL損傷が疑われる場合に、どのように対処をしたら良いのでしょうか?
ポイントをまとめていきます。
RICE処置
怪我をして間も無い期間は、基本的にRICE処置を行います。
R:Rest(安静)
怪我をしてすぐは患部を安静にします。サポーターや装具をして過度に動かないようにして、炎症が軽減してくるのを待ちます。
I:Ice(冷やす)
氷や氷嚢などで、患部を冷やします。感覚がなくなるまで冷やし、感覚が戻るまで時間を開けます。時間は15分〜20分程度と言われています。
C:Compression(圧迫)
腫れが強くならないように、テープや弾性包帯などで圧迫をします。強く圧迫してしまうと、腫れにより血流が悪くなってしまったり、痺れが出てしまったりするため、強すぎないようにすることが大切です。
E:Elevation(挙上)
患部を挙上しておきます。基本的には心臓よりも高くすることがポイントです。膝の怪我の場合、寝る時意外は心臓よりも患部が下になります。座っている時は、台などに足を乗せておき、少しでも足を挙げられると楽です。
足関節の可動域練習
RICE処置により痛みが軽減してきたら、足関節の可動域練習を行います。
捻挫後には足首の動きが硬くなる場合が多く、復帰後、再度捻挫するリスクが高いとされています。
足首が硬い(返りづらい)と捻挫のリスクが多いため、足首の捻挫予防のためには、足首の返りを良くしておくのが重要です。
足首の可動域練習は、膝を曲げた状態で行います。
膝を曲げる理由としては、腓腹筋が緩み、足首を動かしやすくなるからです。
可動域を広げる目的なので、1回あたり30秒を目安にしてストレッチをしていきます。
【参考文献】
ストレッチングのエビデンス
つま先立ちのトレーニング
足首の可動域を広げるのと同時に、足首周りの筋力強化を行なっていきます。
足首周りの筋力強化をすることによって、足関節捻挫が減少します。
人差し指と中指の間に荷重をかけるように意識し、つま先立ちを行います。
ふくらはぎの筋力が弱いと、つま先立ちの最終域で膝が曲がってしまう人がいますが、膝をしっかりと伸ばして行うことが重要です。
また、お腹を前に出さず、背筋は伸ばしたまま、まっすぐ上に伸び上がるようにすることがポイントです。
筋電図を用いて筋肉の働きを調べた論文にも、人差し指と中指の間に荷重を乗せるやり方が一番効率的であることが記されています。
【参考文献】
大学サッカー選手の足部・足関節障害に対する足部アーチ保持筋力トレーニングの効果
筋力低下に対するアプローチ
タオルギャザー
足の指の筋トレです。
足の指を曲げる筋肉を鍛えることにより、「土踏まず」が形成され、足首の安定性が増します。
イラストのように、タオルを足の指でたぐり寄せます。
しっかりと指の力だけでタオルをたぐり寄せれるよう、踵が動かないようにしましょう。
濡れタオルや重りを用いると負荷量が上がります。
腓骨筋トレーニング
足部にトレーニング用のゴムを巻き、踵を支点として、左右に広げていきます。
膝下の外側に収縮を感じれば、ちゃんとトレーニングできている証拠です。
トレーニング用のゴムはセラバンドなどの名称のものを、自分に合った長さにカットして使いましょう。
後脛骨筋トレーニング
足部にトレーニング用のゴムを巻き、足部と反対側のゴムは、机の足などにくくりつけておきます。
足部を内側に動かし、ゴムを引っ張ります。
膝下の後内側に収縮を感じれば、ちゃんとトレーニングできている証拠です。
バランストレーニング
BOSUやバランスディスクのような不安定なものを怪我した足側に置き、足首のバランス反応を鍛えます。
膝をしっかりと伸ばすことを意識しましょう。
膝を伸ばすことにより、股関節でのバランス反応が制限され、より足首でバランスを取るようになります。
足関節捻挫は靭帯の損傷のことですが、靭帯にはセンサーが多く搭載されています。
実際、テニスコートの小さな段差や傾斜に対して
「足首のどの位置にどのように力を入れてバランスをとって…」
なんてことは意識して無いですよね?
これらの反応の多くは、靭帯に搭載されているセンサーによって自動的に調整されてバランスをとっています。
足関節捻挫をしてしまうと、これらの働きが鈍ってしまい再受傷しやすくなるので、足関節捻挫後のバランストレーニングはしっかり行いましょう!
【参考文献】
足関節捻挫
アキレス腱断裂
アキレス腱断裂とは、腓腹筋(ひふくきん)の延長にあるアキレス腱に、強い伸ばされるストレスがかかることにより切れてしまうことを言います。
症状
切れた瞬間は、踵を誰かに蹴られたような衝撃を感じる、何かが当たったような感じがする人が多いです。
痛みはあまり感じない人が多く、上記の衝撃の感覚が特徴的です。
アキレス腱が切れても一時的に歩ける人もいますが、腱が切れてしまうためつま先立ちはできなくなります。
原因
ダッシュをし始めや、ジャンプの着地など、アキレス腱の柔軟性や強い力が必要になる場面で切れることが多いです。
体が硬い人や、筋力が弱い人のほうが断裂しやすくなります。
加齢によっても切れやすくなり、30代からが特に注意が必要となってきます。
また、普段運動しない人が、急に運動をし始めると切れることが多いです。
【参考文献】
スポーツ外傷:アキレス腱断裂の実態とその治療法概観
治療法
部分断裂の場合は、手術をしない保存療法が選択される場合もあり、医師の指示に従いながらギプス固定の期間が決定されます。
その後、アキレス腱の癒合状態を確認しながら、日常生活での活動レベルを上げていきます。
完全断裂の場合は手術が必要になります。
切れている部分を縫合して、しばらくは足首の返りが制限されるような装具を装着し、日常生活を過ごします。
その後、アキレス腱の癒合状態に合わせて両足ジャンプやジョギング、ダッシュなどが順次許可されていきます。
予防法
アキレス腱断裂の予防方法をご紹介します。
アキレス腱断裂をしてしまうと、しばらくの間のギプス固定や手術は避けられないため、断裂しないように普段から予防することが重要です。
ふくらはぎのストレッチ
みなさんがよくやっているアキレス腱伸ばしです。
膝を伸ばした状態でストレッチをすると良く伸びます。
運動前は、一時的に筋力が落ちてしまうのを防ぐために、6秒程度の短めのストレッチ。
運動後のケアは、しっかりと組織を伸ばすために30秒以上のストレッチを行いましょう。
テニスレッグ
テニスレッグとは、テニスで生じやすい、ふくらはぎの肉離れのことです。
特にふくらはぎ内側に症状が出やすいのが特徴で、中高年に多いとされています。
症状
ふくらはぎに痛みが生じて、力が入りにくくなります。
痛みは押した時、伸ばした時、力を入れた時などあらゆるタイミングで生じます。
内出血が起こる場合もあります。
原因
ジャンプ動作の時や、急なダッシュなど、ふくらはぎに過度に負担がかかることにより、ふくらはぎの筋肉に損傷が生じることが原因です。
体の硬い人や、筋力が弱い人が受傷しやすいと言われています。
治療法
基本的には保存療法が中心となります。
足首が反り返る方向に動くと痛みが生じるため、つま先を倒した形でテーピングを行ったり、踵にパットを入れて、ふくらはぎの筋肉が伸ばされるストレスを減らしていきます。
対処法
RICE処置
怪我をして間も無い期間は、基本的にRICE処置を行います。
R:Rest(安静)
怪我をしてすぐは患部を安静にします。サポーターや装具をして過度に動かないようにして、炎症が軽減してくるのを待ちます。
I:Ice(冷やす)
氷や氷嚢などで、患部を冷やします。感覚がなくなるまで冷やし、感覚が戻るまで時間を開けます。時間は15分〜20分程度と言われています。
C:Compression(圧迫)
腫れが強くならないように、テープや弾性包帯などで圧迫をします。強く圧迫してしまうと、腫れにより血流が悪くなってしまったり、痺れが出てしまったりするため、強すぎないようにすることが大切です。
E:Elevation(挙上)
患部を挙上しておきます。基本的には心臓よりも高くすることがポイントです。膝の怪我の場合、寝る時意外は心臓よりも患部が下になります。座っている時は、台などに足を乗せておき、少しでも足を挙げられると楽です。
ふくらはぎのストレッチ
怪我をして数日経過して、痛みが軽減してきたら、ふくらはぎのストレッチを始めます。
最初は痛みが出やすいと思いますので、耐えられる範囲から少しずつ伸ばしていましょう!
テニスレッグで受傷する腓腹筋(ひふくきん)は、膝を伸ばした状態の方が良く伸びます。
なので、できるだけ膝を伸ばしてふくらはぎをストレッチしていきます。
治療目的(筋肉を伸ばす目的)のストレッチは、30秒程度行うことが必要です。
ただし、一時的に筋力は落ちてしまうため、運動前には、30秒未満のストレッチである必要があります。
【参考文献】
ストレッチングのエビデンス
短時間の静的ストレッチングが柔軟性および菌出力に及ぼす影響
ふくらはぎの筋力強化(座位)
怪我をしてから数日経過し、痛みが軽減してきたら徐々に筋力強化を行います。
いきなり つま先立ちは負荷量が多いので、まずは座った状態から筋力強化を開始します。
座った姿勢での つま先立ちで痛みが生じないようであれば、体を前に倒し、手で膝を押さえて負荷をかけていきます。
ふくらはぎの筋力強化(立位)
ふくらはぎの筋力が弱くても、テニスレッグを受傷する可能性が高くなります。
そのため、ふくらはぎの筋力強化が必要になります。
人差し指と中指の間に荷重をかけるように意識し、つま先立ちを行います。
ふくらはぎの筋力が弱いと、つま先立ちの最終域で膝が曲がってしまう人がいますが、膝をしっかりと伸ばして行うことが重要です。
また、お腹を前に出さず、背筋は伸ばしたまま、まっすぐ上に伸び上がるようにすることがポイントです。
まとめ
今回は、テニスで生じる足首の怪我について解説してきました。
テニスはサーブ、スマッシュなどの伸び上がりが必要な動作があり、足首に負担がかかるスポーツです。
その負担をどのように分散させていくのかというのは大事な観点になってきます。
全身を上手に使って、怪我を予防していきましょう!
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