硬式ラケット売り上げランキングで常に上位に入り込んでくるピュアドライブ。
国内外問わず多くの選手が使用しており、黄金スペックの代表格ともいえるラケットです。
バボラのラケットは約3年周期で新作が発売されますが、多くのユーザーが慣れ親しんでいる使用感を大きく変えることはなく、少しずつ良くしていくスタイルです。
ピュアドライブ2021では前作より『面内剛性』、『振動吸収性』を良くする方向に。
果たして使用感はいかがなものか。
本記事ではピュアドライブ2021を実使用、動画解析によるデータからしっかりレビューしていきます!
本記事でわかること!
- ラケットデザイン
- 搭載テクノロジー
- ラケットスペック
- ラケットの使用感
- メリット・デメリット
- どんな人におすすめか
- ピュアドライブ2018との比較
- ピュアドライブVSとの比較
- 他のラケットとの比較
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レポート
今作のピュアドライブもスピード、パワー、スピンすべてが高いレベルにあるラケットでした。
相手の強い球にも打ち負ける気がせず、自分からどんどん攻めていくことが可能です。
前作より増した面内剛性もしっかりと感じ取ることができ、また打球感も軽くなった印象。
本当に素晴らしい。
欠点といえば、ぼやけた打球感と暴発の懸念があるくらいでしょうか。
試合になると安心感のなさはプレーに大きく影響しますからね…。
ストリングの性能に左右されずラケットの性能を素直にインプレできるように テニススタディーでは毎回ツイスターを張って使用しています。
【シグナムプロ ツイスター 徹底インプレ】よく飛ばし、狙ったところにボールが落ちる(SIGNUM PRO TWISTER)
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スペック
✔長さ:27.0インチ
✔フェイスサイズ:100平方インチ
✔ウェイト:300g
✔バランス:320mm
✔フレーム厚:23.0〜26.0mm
✔ストリングパターン:16x19
デザイン
ピュアドライブの青いイメージはそのままに、ブラックベースになったことにより前作よりかっこいいデザインになりました。
前作はホワイトベースだったので柔らかいかわいいイメージでしたね!
また、面内剛性を高めるためにカーボンのレイヤーの編み方、組み方を一から考え直したHTRシステムを採用。
インパクト時のねじれを抑制し面安定性を高めることで、さらなる爆発力を生むように調整されました。
前作と変わりなく、ピュアドライブシリーズの特徴であるウーファーを内蔵化、グロメット外側の凹凸を無くし平らにすることで空気抵抗を極限まで削りました。これによりスイングスピードと操作性が向上。
剛性を高めたことにより増えた振動を抑えるため、振動対策のエキスパートSMAC社と共同開発した高性能素材をスロート部に配合しています。(SWXピュアフィール)
前作同様にストリングパターンを上下に広げ、スイートエリアも拡大させています。
これも前作と同じ六角形のグロメット!ストリングの可動域を微調整し、ホールド性・快適性・コントロール性を最適化。
打球感:ぼやけて軽い
打球感は振動吸収性をアップさせたため硬くはなく、ぼやけた軽めの打球感になります。
前作よりも面の安定性が増し、インパクトの時にカチッと面が定まる感覚があります。
ただ、インパクト時にカチッと面が定まる感覚が打球感の硬さとして感じる人も多そう。
ボールを潰す感覚は前作より増したものの、引っ掛かる感覚と反発感は前作のほうがあった印象を受けました。
しなり感は前作同様全くなく、ガットがたわんでラケットをホールドする感覚があります。
ボールの飛び:飛ぶ
ボールの飛びは前作よりも控えめになったものの、他のラケットよりは全然飛ばしてくれます。
パワーを与えやすいラケットで深いボールは打ちやすいものの、気を緩めてやや無理やりスイングするとコート外に一直線です(笑)
弾道も持ち上げやすくネットを越すのは容易ですが、スピンで飛び量を調整する必要があります。
スピン性能:かかる
引っ掛かり感があるので、しっかりスピンをかけることが可能。
飛びが強いラケットでありながら、持ち前のスピン力でコートにねじ伏せれます。
コートに落とすというより、ねじ込むという表現が適切!
前作と比べるとやや引っ掛かり感がなくなったかな。
球速:126.8km/h
フォアハンドの球速は126.8km/hでした。
これはフォアハンドストローク時の動画解析により算出した値です。
球速算出方法はこちらから↓ 続きを見る
【動画解析手法】スマートセンサーより正確!?ちゅう太流 球速算出法
ソニースマートセンサーは非対応です。
総評
メリット
・高い面安定性
・ボールを潰して打てる
デメリット
・打球感がぼやけている
・しなり感がなく安定感に欠ける
攻撃的なボールを打つならやっぱりピュアドライブですね。
スピード、パワー、スピンどれも高次元でバランスがとれています。
しっかりしたラケットですが、振動吸収性を高めているので腕への負担も少ないです。
ただインパクト時の情報に物足りなさを感じ、ぼやけてるなーって思うことはしばしばありました。
ピュアドライブは飛びすぎて使えないよって人は硬めのスピン系ポリを張ることで、飛びすぎ&ぼやけた打球感を少しは改善できると思います。
こんな人におすすめ
・ボールにパワーが欲しい人
・ボールをしばいて打ちたい人
・ワンランク上のテニスを目指す人
勝手に比べてみました
ピュアドライブ系
ピュアドライブ2021、ピュアドライブ2018、ピュアドライブVSを比較します。
・ボールの飛び
2018>2021>VS
・スピン性能
VS>2018>2021
スピード感を求めるならピュアドライブ2018。
腕への負担を減らしつつ攻めたいならピュアドライブ2021。
安定して力強いボールを打ちたいならピュアドライブVS。
ちゅう太は2018ではボールが飛びすぎるけど、VSではピュアドライブ特有の爽快感に物足りなさを感じていたので、今作の2021がしっくりきました!
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コントロール系:NOVA100
高品質で高性能で近年話題沸騰中のダイアデムからNOVA100!
コントロールできるピュアドラともいわれています。
ピュアドライブのほうがパワーは強め、スピン性能も高めで、より球速のある攻撃的な球を打つことができます。
ただ、打球感を硬く感じやすく、暴発感も強め。
その日のプレーの調子によってピュアドライブの評価は大きく変わってきます。
NOVAは暴発感がないのでより安定したプレーが可能です。
ピュアドライブに比べ飛びはかなり控えめに!
ガンガン行こうぜって人はピュアドライブ、イノチ大事にって人はNOVAを使ってみましょう!
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ライバル:ウルトラ100 V3.0 2020
ウィルソンのパワー系ラケットであるウルトラ100!
しならない感覚とボールをしっかり飛ばす点はピュアドライブに似てます。
ウルトラはピュアドライブより繊細さがありタッチ系のショットが得意です。また、柔らかさと身体への負荷が少ないのもウルトラ!
ピュアドラはウルトラよりボールの飛び、スピード、スピンは優秀。
とことん攻撃力を追求するならピュアドライブ、様々なプレーを駆使するならウルトラがおすすめ!
あと違いとしては、ピュアドライブが山なりの弾道、ウルトラが直線的な弾道です。
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ライバル:EZONE100 2022
ピュアドライブに対するヨネックスの対抗馬と言えばEZONE100!
EZONEはややしなり感があり、ピュアドライブより暴発感が抑えられています!
打球感も柔らかく、振動も少ないので、身体的負荷を考えるとEZONEがよいでしょう!
理想のスイングが常にできないことも考慮するとEZONEのほうが安定感はありますね!
ピュアドライブは最高クラスの飛びとスピンを両立するラケットで、球威はハンパないです!
ラケットの剛性が高く、打ち応えがあり、打ち負けることなく しっかりボールを潰していけます。
飛びはEZONE同等かそれ以上、スピン性能は圧勝です!
打球感は前打点でスイートスポットで捉えれると柔らかさを感じますが、少しずれてしまうとラケットの剛性を感じる硬さがでてくるのが玉にキズです。
圧倒的攻撃力を欲しい方はピュアドライブ、もっと優しく丁寧に戦いたい人はEZONEがおすすめ!
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